”モテる”それは変わらない魅力、そして憧れ。今回は人も犬をも虜にするモテ女umu(犬)のモテテクを一挙ご紹介。
こだわり強め。
umuは芯が通っていて彼女なりの正義を持っている。
ルールに厳しく自分を曲げない。
例えばそれは散歩のとき、彼女は必ず歩道のある道は歩道を歩く。直接教えた訳じゃない。危ないからこっちだよ、と促す程度だったけれどいつの間にかそれは定着していた。今では、ちょっと浅田妹が歩道からはみ出て歩いていると、こっちでしょ!と言わんばかりの視線を何度も妹に向けて、歩道に戻るまで戻るようにと促し続ける。
umuが正しいんだけど、犬に叱られる妹を見るとついつい笑ってしまう。
例えば自分のおやつが自分の足元に転がってきたとき、人の手から受け取るまで食べずにじっと見守る。これも叱った記憶はないけれどいつの間にか定着。旅行や犬OKの飲食店など一緒に外出先でごはんを食べるとき、umu用スプーンでひと口ずつ与えるといつもより嬉しそうに美味しそうに食べるから、もしかすると人から直接与えてもらった方が美味しく感じているのかも。
犬は理性より本能のが勝っている、という人も少なくないと思う。私もumuと一緒に暮らすまでそう思っていた一人。
けれど、彼女には彼女なりの理性やこだわりがあって、それは歳を重ねれば重ねるだけ色濃く態度や姿勢で示してくる。
反対に私ときたら。幼いときほど自分に根拠のない自信を持っていて、ためらいもなく自己主張をしてみたり、大切な人の話を上手に聞けなかったり、なんて思い出すと恥ずかしい思い出がたくさんあるためなのか、いつの間にか歳を重ねてそこそこ経験を積んだ今、今度は人の話をよく聞きすぎて、よく空気を読みすぎて、流れに逆らえなくなったり自分の意見を押し殺したり…なんてことがあるとハッとする瞬間がある。あれ、いつの間にこんなに自分に自信がなくなってしまったのかな、と。
そんなとき、言語がなくてもキチンと自分の意見を示して筋を曲げない正義感や姿勢は本当にかっこよく見える。それはきっと人も同じ。言葉数は少なくても、芯の通った行動の取れる人はかっこいいし憧れなんだ。
切替上手。
umuはONとOFFの切り替えがとてつもなく上手。特に顕著なのは外出時とおうち時間の差。その差はもう同じ犬とは思えない程の違い。
外へ出ると超アクティブで怖いもの知らず。全力で走って全力で遊ぶ、アスリート系オラオラ女子。そんな彼女は異性の犬たちになぜかとてつもなくモテる。彼女は犬に全然興味を持たないのが残念なんだけれど…。
そして切り替え上手が顕著なのが、一緒に住んでいない妹との再会。ほぼ毎日事務所で顔を合わせるようになった今でも、再会を果たすと毎回とってもドラマチックで情熱的。けれど、たまに散歩の途中で妹と待ち合わせをするとまるで別人。素知らぬ顔で「あぁ、来たの。私今忙しいから」と冷たい態度。妹が「uったーーーーん!会いたかったよーーーーー!!」と抱きつこうとするものなら、さも迷惑と言わんばかりの顔でフイっと身を翻す。まるで「外でそんな恥ずかしいことしないで」と言っているよう。普段は「私も!私もだよぉ!!」と満面の笑みで小さな尻尾をブンブン振って受け止めるのに。
外ではとってもツンなumuだけど、おうち時間はひたすらまったりべったりのデレ娘umuへ変身。そしてとっても怖がり。外でボールを拾うときは平気で草むらへ飛び込んだりするのに(おい)、家では目の届くちょっと背伸びをすれば届くボールも「降りてきて〜」とクンクン鳴いて懇願する怖がりっぷりを発揮する。
無意識にギャップ萌えさせるって、それはもう天性のモテ女。
おかげで終始取り巻く人は当然彼女の虜になってしまう。
聞き上手。
人の話をしっかりよく聞く、それって当たり前だけどなかなかに難しく感じる。人は、ついつい考えてしまう生き物だから、色々な思考が混ざって人の言葉を上手に自分の中へ汲み取れなかったりする。
かくいう犬は、真っ直ぐな瞳で真っ白な気持ちで人の話を聞いてくれる。
そこには雑念なんて一切なくて、ただただ聞き取ろうとしてくれているんだな、と感じて嬉しい。そしてもっと聞いてほしいと、いろんな話を聞いてもらいがち。
聞き上手な人も、適度な相槌にちょうどいい返事がとてもお上手。
自分の話をいつだって真摯に聞いてくれる人には本音で話せるし、心も開いてしまうもの。
片思いのあなた、両思いだけど最近マンネリ気味なあなた、お相手の話をちゃんと聞いてみるところから始めるのはいかがでしょう。相手に対する真摯な思いや優しさがきっと届くはず。
甘え上手。
私は、甘えるのが小さいときから苦手だ。長女だから、というのもあるのかもしれない。甘えたいとき、どうやって甘えていいか分からず、逆に相手を突き放した言い方をしてしまうから毎回反省する。
けれどumuときたら、甘えたいとき自分がなにをすればいいのかよく知っている。抑揚と段階を付けた独特な鳴き声で人を呼び、近づくと黙ってすり寄る。甘鳴きの仕方も、ボールがほしいとき、抱きしめてほしいときなど、時と場合によってバリエーションがいくつもあるから、それもまたかわいくて楽しい。
平日の昼間、私はクッキーを焼き続け、妹は梱包作業やらで忙しく、なかなか相手をしてあげられないときは、黙ってじっと寝て待つumu。けれど作業がひと段落してゴム手袋を外し、デスク作業に移ろうとすると途端に察して、そっと膝の上に手をかける。そして、思いっきり抱きつくんだ。
そんなの反則的にかわいいでしょう。
本当に甘えたいとき、もしかしたら言葉なんて必要ないのかもしれない。
振り返らない。
犬は、過去は決して振り返らない。
寝て起きると全てリセットされてる。
昨日あった嫌なこと(例えばひどく叱られたことなど)もまるで覚えていないから、朝はとっても爽やかな笑顔で「おはよう」と出迎えてくれる。
負の感情や、どうにもならない苦しい思いを引きづらずに処理ができるのは自分にとっても相手にとってもメリットだと思う。(犬がそんな気持ちになっているのかどうかはわからないけれど。)
犬の生き方は、人間に比べてとってもシンプル。
言語は持ち合わせないし、想いを伝えるのは全て態度と表情。
それでも痛いほどそれは伝わってくる。
シンプルだからこそ、とも最近思う。
だからこそ、考えて悩んで疲れてしまう私たちにとって、犬はよきお手本でありモテテクの師匠なのである。